第三種電気主任技術者 電力の試験範囲と出題形式|独学の進め方
第三種電気主任技術者試験は、一般財団法人 電気技術者試験センターが実施する国家試験です。理論・電力・機械・法規の4科目を科目別に受験します。電力は、電気がどこで作られ、どう送られ、どう配られるかを一続きでたどる科目で、4科目の中では現場の設備に最も近い内容です。この記事では、公式に掲載されている電力の範囲・出題形式・合格基準を確認したうえで、独学で進めるときの順番を整理します。
試験範囲
公式に掲載されている電力科目の範囲は「発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料に関するもの」です。この一文は、実際には次の3つのまとまりに分けて読むと整理できます。
- 発電所・蓄電所・変電所の設計及び運転:水力発電、火力発電、原子力発電、新エネルギーと分散型電源、蓄電所・電力貯蔵、変電
- 送電線路及び配電線路の設計及び運用:送電、配電、屋内配線
- 電気材料:導電材料、絶縁材料、磁性材料
範囲の条文に「蓄電所」が明記されている点は、電力科目の特徴です。発電と需要のずれを埋める設備が範囲に入っているため、発電方式の知識だけでは足りません。
理論と違い、電力は文章題と計算問題が混在します。発電方式の原理や設備の構成を説明する知識問題と、送電損失や電圧降下を求める計算問題の両方に対応する必要があります。
出題形式
解答方式は、マークシートに記入する筆記方式、またはパソコンで解答するCBT方式による五肢択一方式です。電力科目の解答数はA問題が14題、B問題が3題です。A問題は一つの問に対して一つを解答する方式、B問題は一つの問の中に小問を二つ設けて、それぞれの小問に対して一つを解答する方式です。理論と機械のB問題には選択問題を含む旨の注記が付いていますが、電力のB問題3題にはこの注記がありません。
試験時間は、筆記方式では11時25分から12時55分までの90分です。CBT方式では予約した試験開始時刻から90分後に終了します。
合格基準は、各科目ともに原則60点です。ただし、試験の難易度等から合格基準を調整する場合があると公式に記載されています。
試験では四則演算と開平計算を行うための電卓を使用できます。数式が記憶できる電卓、関数電卓、印字機能を有する電卓は使用できません。電卓の貸与はありません。
独学の順番
電力は範囲が横に広い一方で、電気の流れに沿って並べると前後関係がはっきりします。上流から下流へ進めるのが最短です。
- 水力発電から始めます。落差と流量から出力を求める計算は理論の知識がほとんど要らず、独学の入口に向いています。水車と調速機、揚水発電までを一続きで押さえます。
- 火力発電に進みます。汽力発電の熱サイクルと熱効率の計算、ボイラ・タービン・復水器の役割、コンバインドサイクルまでが中心です。効率計算はここで型を作ります。
- 原子力発電、新エネルギー・分散型電源、蓄電所・電力貯蔵を通します。原子力は原理と炉型、新エネルギーと蓄電所は設備の目的と系統への影響が問われます。
- 変電と送電に入ります。変圧器の運転、遮断器・断路器などの機器、送電線の電圧降下・電力損失・percent impedance、コロナや誘導障害までを扱います。電力の計算問題の主戦場です。
- 最後に配電・屋内配線と電気材料を回します。配電方式と電圧降下、力率改善、電気材料の絶縁と劣化は、出題の型が限られているため後半でも間に合います。
よくあるつまずき
発電方式を言葉だけで覚えている。 火力の熱効率、水力の出力、送電損失は毎回のように計算で問われます。原理の暗記と計算練習を分けずに進めてください。
送電と配電の区別が付いていない。 電圧階級も、想定される事故も、計算に使う式も違います。混ぜて覚えると、条件の読み違えで失点します。
percent impedanceを避けて通る。 短絡容量や電圧変動の問題で繰り返し使われる道具です。基準容量の取り方を含めて、早い段階で慣れておく必要があります。
電気材料を捨てる。 出題数は多くありませんが、導電・絶縁・磁性の3分類は覚える量が少なく、得点効率が良い部分です。
この資格の問題集
現場道場では、第三種電気主任技術者 電力の問題集を510問収録して公開しています。本番と同じ五肢択一の出題形式で、解いたあとに範囲別の到達度が出るため、発電・変電・送配電のどこが弱いのかをそのまま切り分けられます。
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詳細は第三種電気主任技術者 電力の問題集をご覧ください。
出典
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者の試験概要」 https://www.shiken.or.jp/chief/third/overview/ (2026-09-09 確認)
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「令和8年度第三種電気主任技術者上期試験受験案内」 https://www.shiken.or.jp/chief/upload/20260511r8tannai0526.pdf (2026-09-09 確認)
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「電気主任技術者の資格概要」 https://www.shiken.or.jp/chief/about/ (2026-09-09 確認)