第三種電気主任技術者 理論の試験範囲と出題形式|独学の進め方
第三種電気主任技術者試験は、一般財団法人 電気技術者試験センターが実施する国家試験です。理論・電力・機械・法規の4科目を科目別に受験し、4科目すべてに合格すると試験合格となります。理論はこのうち最初に手を付ける科目として選ばれることが多く、残る3科目の計算問題の土台にもなります。この記事では、公式に掲載されている理論の範囲・出題形式・合格基準を確認したうえで、独学で進めるときの順番を整理します。
試験範囲
公式に掲載されている理論科目の範囲は「電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測に関するもの」です。一文ですが、実際に問われる内容はこの4語に対応して次のように分かれます。
- 電気理論:静電気とコンデンサ、磁気・電磁力・磁気回路、電磁誘導とインダクタンス、直流回路、単相交流回路、三相交流回路、過渡現象と非正弦波交流
- 電子理論:半導体と電子回路、電子の運動と電子デバイスの基礎
- 電気計測及び電子計測:測定量と測定器、測定範囲の拡大、誤差の扱い
他の3科目が「発電所」「電気機器」「電気法規」といった対象で区切られているのに対し、理論だけは現象と数式そのものが対象です。ここで扱う三相交流やインピーダンスの計算は、電力の送配電計算にも、機械の回転機計算にもそのまま使われます。
出題形式
解答方式は、マークシートに記入する筆記方式、またはパソコンで解答するCBT方式による五肢択一方式です。理論科目の解答数はA問題が14題、B問題が3題で、B問題の3題は選択問題を含んだ解答数として公表されています。A問題は一つの問に対して一つを解答する方式、B問題は一つの問の中に小問を二つ設けて、それぞれの小問に対して一つを解答する方式です。
試験時間は、筆記方式では9時15分から10時45分までの90分です。CBT方式では予約した試験開始時刻から90分後に終了します。
合格基準は、各科目ともに原則60点です。ただし、試験の難易度等から合格基準を調整する場合があると公式に記載されています。60点固定と決めつけず、余裕を持った得点計画を立ててください。
試験では四則演算と開平計算を行うための電卓を使用できます。数式が記憶できる電卓、関数電卓、印字機能を有する電卓は使用できず、使用した場合は不正行為となります。電卓の貸与はないため、開平機能付きのものを自分で用意する必要があります。
独学の順番
理論は積み上げの科目なので、範囲表の並び順ではなく、前提が少ないものから進めます。
- 直流回路から始めます。オームの法則、キルヒホッフの法則、合成抵抗、テブナンの定理までを、手を動かして解けるようにします。ここが曖昧なままだと以降がすべて止まります。
- 単相交流回路に進みます。正弦波の表し方、複素数によるインピーダンスの扱い、電力と力率までを一続きで押さえます。理論の中核であり、電力・機械の計算にも直結します。
- 三相交流回路に入ります。Y結線とΔ結線、相電圧と線間電圧の関係、三相電力の計算が中心です。単相を1相分に置き換えて考える手順を身につけます。
- 静電気・コンデンサと磁気・電磁力・電磁誘導を進めます。交流回路とは独立して学べる分野で、公式の使い分けが得点に直結します。
- 最後に過渡現象・非正弦波交流、半導体と電子回路、電気・電子計測を回します。計測は分流器・倍率器や誤差など出題の型が限られるため、後半に置いても間に合います。
よくあるつまずき
公式を覚えて計算練習をしない。 理論は選択肢を見て選ぶ試験ですが、途中式を書かずに答えは出ません。読むだけの学習では時間内に解ききれません。
電卓の操作に慣れていない。 平方根や逆数を含む計算が続くため、本番と同じ電卓で普段から解いていないと、押し間違いと時間切れが起きます。関数電卓で練習してしまうと本番で使えません。
B問題を後回しにする。 B問題は小問二つで構成され、前半を落とすと後半も連鎖して失点します。配点の重みを考えると、A問題の数をこなすだけの対策では届きません。
三相交流を暗記で片付ける。 √3が付く位置を覚えるだけでは、Δ-Y変換や不平衡の問われ方に対応できません。1相分に直す考え方を理解しておく必要があります。
この資格の問題集
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詳細は第三種電気主任技術者 理論の問題集をご覧ください。
出典
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者の試験概要」 https://www.shiken.or.jp/chief/third/overview/ (2026-09-09 確認)
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「令和8年度第三種電気主任技術者上期試験受験案内」 https://www.shiken.or.jp/chief/upload/20260511r8tannai0526.pdf (2026-09-09 確認)
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「電気主任技術者の資格概要」 https://www.shiken.or.jp/chief/about/ (2026-09-09 確認)