第一種衛生管理者の試験範囲と出題形式|独学の進め方
第一種衛生管理者は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が実施する免許試験です。第二種と最も違うのは、有害業務に関する範囲が試験に入る点です。ここを外したまま学習を進めると、合計点が届いていても不合格になります。この記事では、公式ページに掲載されている試験科目・出題形式・合格基準を確認したうえで、独学で進めるときの順番を整理します。
試験範囲
試験科目は次の5つの範囲に分かれています。括弧の中まで含めて1つの範囲だと考えてください。
- 労働衛生(有害業務に係るもの)
- 労働衛生(有害業務に係るもの以外)
- 関係法令(有害業務に係るもの)
- 関係法令(有害業務に係るもの以外)
- 労働生理
労働衛生と関係法令が、それぞれ「有害業務に係るもの」と「それ以外」に割れているのが第一種の構造です。第二種はこの割れ方がなく、有害業務の範囲そのものが出題されません。第一種の学習量が第二種より重くなるのは、単に問題が多いからではなく、この2範囲が丸ごと増えるためです。
受験資格は学歴と労働衛生の実務経験の組み合わせで定められています。公式ページには、大学(短期大学を含む)または高等専門学校を卒業した者でその後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの、高等学校または中等教育学校を卒業した者でその後3年以上の実務経験を有するもの、10年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するものなど、複数の区分が掲載されています。自分がどの区分に当たるかは申請前に必ず公式ページで確認してください。
出題形式
科目ごとの出題数・配点は次のとおりです。
| 試験科目 | 出題数 | 配点 |
|---|---|---|
| 労働衛生(有害業務に係るもの) | 10問 | 80点 |
| 労働衛生(有害業務に係るもの以外) | 7問 | 70点 |
| 関係法令(有害業務に係るもの) | 10問 | 80点 |
| 関係法令(有害業務に係るもの以外) | 7問 | 70点 |
| 労働生理 | 10問 | 100点 |
合計44問・400点です。試験時間は13時30分から16時30分までの3時間、科目免除者は13時30分から15時45分までの2時間15分と公表されています。科目免除は、船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた者でその後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するものについて、労働生理が免除されると記載されています。
合格基準は「各科目(範囲が分かれているものについては範囲ごと)の得点が40%以上で、かつ、その合計が60%以上であること」です。この一文が第一種の学習計画を決めます。足切りの単位は科目の3つではなく、範囲の5つです。労働衛生(有害業務に係るもの)だけが40%を割れば、他がどれだけ取れていても合格になりません。
なお、公式ページには特例第一種衛生管理者免許試験の記載もあります。労働衛生(有害業務に係るものに限る)10問80点と関係法令(有害業務に係るものに限る)10問80点の2範囲で、試験時間は13時30分から15時30分までの2時間です。第二種の免許を持つ方が第一種に進む場合の選択肢になります。
受験手数料は8,800円です(令和5年6月1日現在の掲載。消費税法により非課税と記載されています)。試験日程は全国の安全衛生技術センターごとに公表されており、実施回数はセンターによって異なります。申込みの前に、受験するセンターの日程ページを直接確認してください。
独学の順番
範囲ごとに40%の足切りがある試験なので、得意な範囲を伸ばすより、割れそうな範囲を先に埋める順番が有利です。
- 労働生理から始めます。10問100点と配点が最も大きく、人体の仕組みという単独で完結した内容なので、法令の知識がなくても最初から進められます。ここで得点源を1つ確保しておくと、合計60%の見通しが立ちます。
- 次に関係法令(有害業務に係るもの以外)です。安全衛生管理体制、健康診断、衛生委員会といった、事業場の運営そのものに関わる条文が中心になります。第二種と共通する土台なので、法令の読み方をここで作ります。
- 労働衛生(有害業務に係るもの以外)に進みます。作業環境、労働衛生教育、救急処置など、2の法令と対応する内容が多く、法令を先に通しておくと定着が速くなります。
- ここで有害業務の2範囲に入ります。関係法令(有害業務に係るもの)と労働衛生(有害業務に係るもの)は、有機溶剤・特定化学物質・粉じん・電離放射線といった対象ごとに、規制と健康影響が対になっています。法令と衛生を別々に覚えるのではなく、対象物質ごとに横に並べて覚える方が効率的です。第一種の合否はここで決まります。
- 最後に、5範囲を通しで解いて範囲ごとの得点率を出します。40%を割っている範囲があれば、その範囲だけを繰り返します。合計点の推移だけを見ていると、足切りに気づけません。
よくあるつまずき
合計点だけを見ている。 総得点が60%を超えていても、5範囲のどれか1つが40%未満なら不合格です。演習は必ず範囲別に集計してください。
有害業務の範囲を後回しにしたまま本番を迎える。 第一種で新しく増える2範囲は、暗記量が多く、直前に詰め込むと取りこぼしが出ます。学習期間の中盤には着手しておきたい部分です。
数値の条件を曖昧に覚えている。 選任すべき衛生管理者の人数、健康診断の実施頻度、作業環境測定の間隔など、数値そのものが選択肢の分かれ目になります。「およそ」で覚えていると、正解を選びきれません。
第二種向けの教材だけで第一種に臨む。 第二種は有害業務の範囲が出題されないため、そのままでは第一種の2範囲が空白のままになります。教材が第一種に対応しているかを最初に確かめてください。
この資格の問題集
現場道場では、第一種衛生管理者の問題集を424問収録して公開しています。本番と同じ出題形式で、解いたあとに範囲別の到達度が出るので、40%の足切りが危ない範囲をそのまま見つけられます。
問題文はすべて当サイトのオリジナルです。買い切りで、月額の課金はありません。内容を改訂しても追加料金はかかりません。第1回は登録不要でずっと無料で解けるので、出題形式が合うかを試してから判断してください。価格は2,480円(税込/税抜2,255円)です。
詳細は第一種衛生管理者の問題集をご覧ください。
出典
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者の紹介」 https://www.exam.or.jp/introduction/h_shokai502/ (2026-09-09 確認)
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「免許試験の受験手数料」 https://www.exam.or.jp/h_tesuryo/ (2026-09-09 確認)
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者の日程」 https://www.exam.or.jp/schedule/h_nittei502/ (2026-09-09 確認)