危険物取扱者 乙種第4類の試験範囲と出題形式|独学の進め方
危険物取扱者は、一般財団法人 消防試験研究センターが実施する国家試験です。乙種第4類はそのうち引火性液体を扱う類で、ガソリンスタンドや石油貯蔵タンク、タンクローリーなど現場での需要がそのまま受験者数に出ています。この記事では、公式ページに掲載されている試験科目・出題形式・合格基準を確認したうえで、独学で進めるときの順番を整理します。
試験範囲
乙種の試験科目は次の3つです。括弧書きの略称は現場でよく使われる呼び方で、公式の科目名はそれぞれ下記のとおりです。
- 危険物に関する法令(法令)
- 基礎的な物理学及び基礎的な化学(物化)
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(性消)
このうち第3の科目が、受験する類ごとに中身の変わる範囲です。第4類が対象とする危険物は、消防法 別表第一で「引火性液体」と定められています。同表に掲げられた品名は、特殊引火物、第一石油類、アルコール類、第二石油類、第三石油類、第四石油類、動植物油類の7つです。
品名の区切りは引火点で決まっています。別表第一の備考には、第一石油類はアセトン、ガソリンその他一気圧において引火点が21度未満のもの、第二石油類は灯油、軽油その他一気圧において引火点が21度以上70度未満のもの、特殊引火物はジエチルエーテル、二硫化炭素その他一気圧において発火点が100度以下のもの又は引火点が零下20度以下で沸点が40度以下のもの、と定義されています。性消の学習は、この温度の線引きを軸に組み立てるのが最短です。
乙種と丙種には受験資格がなく、公式ページには「誰でも受験できます」と記載されています。学歴も実務経験も問われません。
なお乙種危険物取扱者は、免状に指定された類の危険物について取扱いと定期点検、保安の監督ができます。甲種もしくは乙種の危険物取扱者が立ち会えば、免状を持たない者も取扱いと定期点検を行えます。一定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う化学工場、ガソリンスタンド、石油貯蔵タンク、タンクローリー等の施設には、危険物を取り扱うために危険物取扱者を置かなければならないと公式ページに記載されています。第4類の免状が現場で求められやすいのは、この施設要件が直接の理由です。
また、化学工場やガソリンスタンドなどで危険物の取扱い作業に従事している危険物取扱者は、定められた期間内ごとに都道府県知事が行う講習を受けなければならないとされています。免状は取得して終わりではなく、従事している間は受講義務が続く点も押さえておいてください。
出題形式
出題形式は公式ページに次のとおり掲載されています。
- 解答方式: マーク・カードを使う筆記試験。甲種・乙種は五肢択一式
- 実技試験: なし
- 問題数: 法令15問、物化10問、性消10問の合計35問
- 試験時間: 乙種は2時間
- 合格基準: 試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上
- 試験手数料: 乙種5,300円(非課税。一旦納入された手数料は返還されません)
合格基準が総合点ではなく科目ごとである点が、この試験の設計上いちばん重要です。法令15問なら9問以上、物化と性消は10問中6問以上を、それぞれ独立に取る必要があります。合計で7割取れていても、物化だけ5問なら不合格です。得意科目で穴を埋める戦い方は成立しません。
試験科目の一部免除の制度もあります。公式の一部免除表によれば、乙種危険物取扱者免状を有する者が他の類を受験する場合、法令と物化が全部免除となり、性消10問のみ・試験時間35分となります。第4類を先に取っておくと他類の追加が軽くなるのは、この制度によるものです。第4類が最初の1つであれば免除は使えません。
試験日程は都道府県別に公表されており、電子申請サイトで試験実施年月と都道府県を指定して検索できます。すべての試験で電子申請が利用できます。
独学の順番
科目ごとの足切りがあるため、順番は「配点の大きい順」ではなく「他の科目の土台になる順」で組みます。
- 物化を先に片付ける。引火点・発火点・燃焼範囲・静電気といった基礎語彙は、そのまま性消の説明に使われます。ここが曖昧なままだと性消の暗記量が倍に膨らみます。10問しかない科目ですが最初に置いてください。
- 性消で第4類の品名を7区分に整理する。物質名を単体で覚えず、引火点の帯ごとに並べて覚えます。第一石油類は21度未満、第二石油類は21度以上70度未満、という数値の並びが骨格です。
- 法令を数量と距離で押さえる。指定数量、保安距離、保有空地、定期点検、危険物取扱者と保安監督者の役割など、数字と義務者がセットで問われます。15問と最も多く、暗記で確実に取れる科目です。
- 3科目そろえて模擬形式で解く。35問を2時間の枠で通し、科目ごとの正答率を毎回出します。総合点ではなく科目別に見るのが必須です。
- 60%を切った科目だけを回す。3科目とも安定して6割を超えるまで、これを繰り返します。
よくあるつまずき
総合点で判断してしまう。 過去に解いた問題の「35問中25問正解」という数え方には意味がありません。科目ごとに割って見ない限り、落ちる科目に気づけません。
物化を後回しにする。 化学が苦手だからと性消から入ると、燃焼や消火の原理が理由なしの丸暗記になります。10問分の負担を避けたつもりが、性消10問まで不安定になります。
法令の数字を言葉で覚える。 指定数量や距離の要件は、数値そのものを問う形で出ます。「一定量以上」といった覚え方では選択肢を絞れません。
免除制度を誤解する。 一部免除は他の類の乙種免状などを持っている場合の制度です。第4類が最初の受験であれば3科目すべてを受けます。
この資格の問題集
現場道場では、危険物取扱者 乙種第4類の問題集を1,120問収録で公開しています。価格は1,980円(税込/税抜1,800円)の買い切りで、月額の課金はありません。内容を改訂しても追加料金はかかりません。
本番と同じ出題形式で解け、範囲別の到達度が出ます。科目ごとに60%の足切りがある試験なので、どの範囲が6割に届いていないかを数字で確認できる形にしてあります。問題文はすべて当サイトのオリジナルです。第1回は登録不要でずっと無料で解けます。
出典
- 試験科目及び問題数|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/annai/subject.html (2026-09-09 確認)
- 試験の方法|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/annai/way.html (2026-09-09 確認)
- 受験資格|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/annai/qualified.html (2026-09-09 確認)
- 受験案内、願書の入手方法|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/guide.html (2026-09-09 確認)
- 危険物取扱者について|一般財団法人消防試験研究センター https://www.shoubo-shiken.or.jp/knowledge/kikenbutsu.html (2026-09-09 確認)
- 試験日程[全国一覧]|一般財団法人消防試験研究センター https://shinsei.shoubo-shiken.or.jp/shoubou_ia/iajs9001.do?menjo_kbn=1 (2026-09-09 確認)
- 消防法 別表第一(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 (2026-09-09 確認)