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高圧ガス・LPガス

高圧ガス販売主任者 第二種の試験範囲と出題形式|独学の進め方

高圧ガス販売主任者試験は、高圧ガス保安協会(KHK)が実施する国家試験です。免状は第一種販売主任者と第二種販売主任者の2種類があります(高圧ガス保安法第29条第1項)。第一種はLPガス以外の高圧ガスの販売を対象とし、第二種はLPガスの販売を対象とします。第二種販売主任者免状があると、高圧ガス保安法上の販売主任者に選任されることができます。それに加えて、液化石油ガス法上の業務主任者、またはその代理者としても選任されることができます。

試験範囲

第二種販売主任者試験の科目は、次の2つです(高圧ガス保安法に基づく高圧ガス製造保安責任者試験等に関する規則第9条第1項の表)。

  • 法令 … 高圧ガス保安法に係る法令、および液化石油ガス法に係る法令
  • 保安管理技術 … 液化石油ガスの販売に必要な通常の保安管理の技術

記述式の「学識」の科目はありません。受験資格も不要で、年齢や学歴や経験に関係なく誰でも受験できます。

法令の範囲は、2つの法律にまたがります。高圧ガス保安法の側で問われるのは、次の5項目。

  • 高圧ガスの定義と販売事業の届出
  • 容器と附属品
  • 消費と廃棄
  • 移動と貯蔵
  • 販売主任者の選任と周知義務

液化石油ガス法の側で問われるのは、販売事業の登録、保安機関と保安業務、業務主任者、販売の方法の基準、供給設備と消費設備の技術上の基準です。同じ「LPガスの販売」でも、高圧ガス保安法は届出制、液化石油ガス法は登録制という具合に、制度そのものが二重になっています。ここを分けて理解できるかどうかが、この科目の分かれ目。

保安管理技術で問われるのは、次の範囲です。

  • LPガスの性質と燃焼
  • 単位と計算
  • 容器、容器バルブ、調整器、ガスメーター、配管材料、保安用検査機器、安全機器
  • 燃焼器と給排気
  • 貯蔵施設
  • 戸別供給、集団供給、バルク供給の各方式
  • 消費設備と、車両による移動

出題形式

科目ごとの出題数と試験時間は、次のとおりです。

試験科目 出題数 試験時間
法令 20問 9時30分〜10時30分(60分)
保安管理技術 20問 11時10分〜12時40分(90分)

2科目の合計は40問。解答はマークシートで、各問題の下に掲げてある(1)〜(5)の中から1問につき1個だけを選びます。1問につき2個以上を選ぶと、その問題は0点になります。

ここが独特なところです。選択肢は5つですが、中身は5つの独立した文ではありません。問題文に「イ」「ロ」「ハ」と並んだ記述があり、そのうち正しいものの組合せを(1)〜(5)から選ぶ形です。保安管理技術では「ニ」まで並びます。つまり1問で3つまたは4つの記述を、1つずつ判定させられます。1つでも判定を誤ると、その問題は0点になります。普通の五肢択一のように「消去法で2択まで絞る」という戦い方が使えません。

保安管理技術には、数値を選ぶ計算問題も出ます。問題文で特に記述がない場合、圧力はゲージ圧力で表されます。同じく「標準状態」は、0℃・0.1013MPa(絶対圧力)の状態を指すと明記されています。

法令の20問のうち、前半の問1から問10までは高圧ガス保安法令。後半の問11から問20までが液化石油ガス法令にあたります。この2つのブロックは、別々に科目免除の対象になります。

合格基準と科目免除

合格基準は「各科目とも満点の60パーセント程度」です。20問中12問が目安になります。2科目のうち1科目でも届かないと、もう一方が満点でも不合格。

科目免除の仕組みが、この試験の受け方を大きく変えます。KHKが実施する第二種販売講習を受講して修了すると、11月の国家試験で保安管理技術が免除されます。免除された人は、法令だけを受ければよくなります。ほかにも2つの免除があります。丙種化学(特別試験科目)免状があれば、法令のうち高圧ガス保安法令のブロックが免除。液化石油ガス設備士免状があれば、法令のうち液化石油ガス法令のブロックが免除されます。

免除を使うかどうかで、必要な勉強量が変わります。学習計画を立てる前に、自分が免除の対象になるかを先に確認してください。

試験日程と受験手数料

実施は年1回、11月。令和8年度は2026年11月8日(日)に、47都道府県で行われます。受験願書の受付は2026年8月17日から始まります。書面申請は8月31日まで、電子申請は9月2日17時までが締切。

受験手数料は非課税で、電子申請が6,700円、書面申請が7,200円です。年1回しかないため、申込期間を過ぎると次の機会は1年後になります。

独学の順番

2科目とも同じ配点で、片方を捨てる作戦が成立しない試験です。次の順番で進めると無駄がありません。

  1. 保安管理技術のうち、LPガスの性質と燃焼から始めます。 プロパンとブタンの沸点、密度、爆発範囲といった物性は、あとの機器の話にも法令の危険性の話にも効いてきます。ここが土台。
  2. 機器に進みます。 容器と容器バルブ、調整器、ガスメーター、配管材料、検査機器、安全機器、燃焼器。名前と役割と数値を対にして押さえます。実物を扱う仕事をしている方は、ここが速いはずです。
  3. 供給方式を固めます。 戸別、集団、バルクの3つから、保安管理技術20問のうち3問が確実に出ます。3つを並べて違いを書き出しておくと迷いません。
  4. 計算問題を1つずつ手で解きます。 毎年1問出ます。燃焼器のガス消費量からガスの質量を出す問題、混合ガスの理論空気量を出す問題、水の加熱に必要な熱量を出す問題。型は限られているので、式の立て方を覚えれば取れる1問です。
  5. 法令は、高圧ガス保安法から先に読みます。 先に押さえる骨格は、定義、届出、容器、貯蔵、移動の5つ。そのうえで、液化石油ガス法の登録、保安機関、業務主任者、供給設備の基準に進みます。逆順にすると、2つの法律の規定が頭の中で混ざります。
  6. 仕上げは40問の通し演習。 科目別の正答数を出し、各科目12問以上に届いているかを毎回確認します。届かない科目だけを回してください。

よくあるつまずき

普通の五肢択一だと思って対策してしまう。 実際は3つから4つの記述を、1つずつ判定する形式です。「なんとなく正しそう」で済ませていると、1つの取りこぼしで問題ごと0点になります。1つの記述ごとに、正しいか誤りかを言い切れるまで覚えるのが唯一の対策。

2つの法律を分けずに覚える。 高圧ガス保安法の販売事業は「届出」で、液化石油ガス法の販売事業は「登録」です。第一種貯蔵所は「許可」で、第二種貯蔵所は「届出」。この手続の種類の入れ替えが、法令でいちばん多い誤りの作り方です。

数値を「およそ」で覚える。 実数がそのまま問われます。販売事業の届出は事業開始の日の20日前まで。貯蔵の方法の基準がかかるのは質量1.5キログラムを超えるものです。移動の基準がかかるのは内容積25リットルを超える容器で、容器置場の周囲2メートル以内は火気厳禁。

年1回であることを忘れている。 申込みは8月中旬から始まります。試験は11月の第2日曜前後。夏に気づいたときには受付が終わっている、ということが起こりやすい試験です。

この資格の問題集

現場道場では、高圧ガス販売主任者 第二種販売主任者の問題集を480問収録しています。本番と同じ「イ・ロ・ハの記述の正誤の組合せ」形式で作りました。解いたあとに科目別の到達度が出るので、法令と保安管理技術のどちらが60%を割りそうかを、その場で確認できます。

問題文はすべて当サイトのオリジナルです。高圧ガス保安協会は、公表した試験問題の転載や複製を認めていません。そのため市販の教材と違って、過去問そのものは載せていません。そのぶん、出題形式と論点の並びを本番に合わせました。

詳細は高圧ガス販売主任者 第二種販売主任者の問題集をご覧ください。

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